今月の漢方
ペニシリンの年賀状
これは本年、薬剤師や薬学関係者、それに歴史に興味がおありな方々向けに差し出しました、ペニシリンバージョンの年賀状です。言うまでもなくペニシリンは、人類初の抗生物質であり、1928年（昭和3年)にイギリスのフレミングによって初めて青黴（あおかび）から発見されてより、それまで感染症に苦しめられ続けてきた人類に福音をもたらした薬剤であります。我が国には、戦時中にその菌株がもたらされ、官民あげて各所でその量産に取り組みましたが、その中、日本で最初に量産に成功し、臨床研究を行ったのが、谷川久治軍医中尉と小川好一薬剤少尉を中心とする千葉陸軍病院のチームであったことが、最近の調査で明らかになりました。このうち小川好一薬剤少尉とは、復員後代々の「小川欽一郎」と名を改め、薬局経営にあたって来ました当オガワ薬局の先代です。この度、父が遺した資料等から、その「日本初」ということが判明したわけで、折に触れ聞いたエピソードなど交え、ご紹介したいと思います。続く・・・
