佐原まちぐるみ博物館ギャラリー

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「伊藤博文筆『好生堂』扁額」 ( 付、由緒書 )

 

明治32年(1899年)1月15日 伊藤博文侯爵が香取神宮参拝の折、佐原で休憩された時に、薬剤師初代小川欽一郎が、当店の屋号「好生堂」の扁額を書いてもらったものであります。この時伊藤博文57歳、これはイメージ的に分かりますが、初代欽一郎はこの時29歳です。「よく書いてもらえたなあ」と思いますが、それ以前に「よく会ってもらえたなあ」ですね。ちなみに、この時は揮毫だけで落款については、東京の伊藤邸までまた書を持って行って押してもらったそうです。

由緒書きの方は、その時同席していた香取神宮の神官さんに、後年になって書いてもらったものです。ご参考までに全文をご紹介致します。

「明治三十二年一月十五日 侯爵伊藤博文卿 わが香取神宮に参拝の途次 佐原町なる小倉氏の別邸に休憩す 時に畳紙を取り出して歌一首を書き老生に示して曰く 「予は詩は作れず 歌は詠みしことなければ これにて歌になれりや いかに」と  開き見れば

いにしへの 神の功を 慕ふ身の 誠は神も しろしめすらむ

とあり よりてこれを揮毫ならむ事を乞ひしに 書きて一葉を神宮に献り 一葉を老生に与へられたり その筆の序に 誰彼の乞ひによりて 幾ひらかの紙に筆染めたりき 中に就く事小川欽一郎ぬしは「好生堂」の額字を乞ひしに

こころよく書きて与へられぬ ぬしは卿の功績をしたふあまりに これを欄間に掲げて煤けさせむはとて 今度巻物となして子孫に伝へむものと おのれにその時の様を書きてよと 乞はるるままに老いの禿筆とりて ありし昔を偲び出しつつ書くなむ  大正三年二月 天保老士 時に歳七十五 」

 

 

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