明治時代の処方箋|千葉県香取市佐原の漢方薬局

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今月の漢方

明治時代の処方箋

明治時代の処方箋(古い昔の処方箋)

 

現在、薬局において薬剤師法で定められた調剤済み処方箋の保存期間は3年でありますが、当薬局におきましては、110年前の処方箋が保存されていますので、ご紹介致します。それは明治43年(1910年)当薬局初代である曾祖父小川欽一郎の母夏子に交付されたもので、筆で縦書きに書かれています。今となっては一部読みにくい文字もありますが、ご参考までに横書きに書き換えてみました。現代の薬剤師の皆さん、調剤してみませんか?

 

處 方 箋

 

明治43年4月21日

小川夏子殿

 

重曹 6.0       硫苦 6.0

稀硝酸 6.0      水 180.0

右1日3回服用 2日量

 

ヂャスターゼ 9.0   燃?性マクネシヤ 0.6

分為6包 毎食后1包つつ服用

 

ブロムラール 0.8  安知比林 0.6

乳糖 0.8

分為2包 頓服2回分

 

神田区末広町19番地

醫士 師岡宗春

 

(欄外に)            欽一郎分

ヂヤスターゼ3.0    重曹1.0

為3包

 

尚、「硫苦」は硫酸マグネシウム、 「燃?性マクネシヤ」は酸化マグネシウムと思われ、「安知比林」はアンチピリン、欄外の記載は、母親を連れて行った欽一郎が、ついでに自分への処方もしてもらったメモであろうと思います。また処方医の師岡宗春先生(肩書が「医師」ではなく「醫士」となっています。)につきましては、明治初年に於ける江戸(東京)に漢方四大家といわれる、浅田、尾台、熱田、師岡の各医家のうちの、師岡家に繋がる方と思われますが、詳細明らかでなく、ご存じの方がおられましたら、お教え下されば幸甚です。

 

令和2年5月4日 記

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