今月の漢方
熱中症予防~体の中から夏を涼しく~
今年もまた暑い夏がやって来ました。
ひと昔前であれば「さあ夏休み!海へ山へ!」といったところでしたでしょうが、最近の夏の暑さは当時の比ではありません。どなたもまずレジャーより先に「熱中症対策」というものが頭に浮かんでしまうのではないでしょうか。
「水分補給」「電解質(塩分)補給」「室温調節」「通気性のよい衣服」「冷却グッズ」など
が、もちろん大切でたいへん効果がありますが、ここに、ひとつ「熱中症の漢方薬」ともいうべき処方をご紹介させていただきます。
「白虎湯(びゃっことう)」または「白虎加桂枝湯(びゃっこかけいしとう)」これであります。漢方全盛の明治初期までは「高熱を発する熱病」に、今でいう一種の解熱剤として使用されました。これを飲むと体がここちよくスーッと冷えていきます。
ただし、同じ高熱でも「葛根湯」や「麻黄湯」などが対応する熱は、「表位」(体表に近い部位)に原因する熱であり、白虎湯類の熱は、より深い「裏位」に発する熱であります。この鑑別は重要であり、現代の科学的な医学とは考えを異にするところでもありますので、服用に当っては、信用のおける漢方の専門家にご相談なさることをおすすめ致します。
なお、実例をひとつ。小生の娘の部活での話です。ある室内競技の練習で、真夏は毎日熱中症寸前でしたので、練習前に「白虎加桂枝湯」を飲ませてみました。そうしたら他の部員はみんな顔を真っ赤にして、汗ビッショリでフラフラだった中、娘だけは平気で「なんで、ひとりだけ涼しい顔してるの?」と、びっくりされたそうです。
「白虎加桂枝湯」 1回分¥300 より
(味は甘いです。)